現代社会を駆動する半導体
半導体は、いたるところに存在していると言っても過言ではない。僕たちの身の回りにあるあらゆる電子製品には、ほぼ例外なく半導体が入っている。スマートフォンやスマートウォッチ、イヤホンのような小型デバイスから、パソコン、電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫といった中型機器、さらには自動車、MRT(地下鉄)、飛行機といった大型のものまで多岐にわたる。一体、半導体の何がそれほどまでにすごいのだろうか?そして、なぜ半導体製造を担うTSMCは「護国神山」と称されるのだろうか?
半導体は電(磁)力を制御する素子
半導体の素晴らしいところは、電流と電圧を制御できることにある。これだけ聞くと大したことのないように思えるかもしれないが、巨視的な視点で見れば、あらゆる電化製品やデジタル機器が動作するのは、すべて電力の精密な制御に依存しているからだ。
電流と電圧の制御に加え、半導体には信号を増幅する機能もある。例えば、スピーカーは電流によって電磁場が生じる原理を利用している。そのため、電流を制御して特定の周波数に到達させることで、スピーカーの振動板を空気と一緒に振動させ、音を出すことができる。しかし、元の信号電流は非常に小さいため、そのままスピーカーに接続しても音は極めて小さく、あるいはまったく聞こえない。半導体は電流を増幅し、微小な信号であってもスピーカーを駆動できるようにする。
すべては砂から始まる
砂の主成分は二酸化ケイ素であり、これを精錬することで粗金属ケイ素が得られる。これこそが半導体の最も主要な成分であるシリコン(Silicon)だ。
続いて、純度を高めるために蒸留やその他の化学反応処理を行う。純度が十分に高くなければ欠陥が生じやすくなるからだ。次にシリコンウェハーを製造する。これはIC(集積回路)を製造するための基本要素であり、様々な処理を経て回路をウェハー上に転写し、パッケージングとテストを行うことで、僕たちが目にする各種ICとなる。全体のプロセスは言葉にするとシンプルだが、砂からウェハーを作るのは自宅でこねて焼けば出来上がるようなものではなく、すべての工程において企業が全リソースを傾けて初めて成し遂げられるものだ。
何億、何十億ものトランジスタを極小のCPUに詰め込み、しかも寸分の狂いもなく動作させることの凄さを改めて考えると、まさに人類文明の奇跡と言える。
しかし僕にとって最も神秘的に思えるのは、自然界の至るところにある砂が、人類の現代テクノロジーの基礎を構成しているという点だ。結局のところ、すべては大自然から始まっているのだ。
シリコンの何が特別なのか?
半導体の成分が(様々な加工を経て)砂から来ていることは分かったが、ではシリコンにはどのような特性があり、半導体産業はこれほどシリコンに依存しているのだろうか?まず明確にしておきたいのは、シリコンだけが半導体として使えるわけではないという点だ。単にシリコンの原料が入手しやすいため、一般的にシリコンが使われているに過ぎない。
鍵となるのはシリコンの原子構造だ。シリコンの最外殻には4つの電子があり、これらの電子はエネルギーを受けると原子の束縛を抜け出し、自由に移動できる自由電子になりやすい。電子が移動できるようになれば、電流を形成できる。
原子の導電性は、価電子が自由電子に変わる難易度によって決まる。絶縁体は電子が束縛を脱しにくいため自由電子を形成できず、導体はあまりエネルギーを必要とせず、常温でも大量の自由電子を生み出せるため電気を通す。
半導体の最大の特徴は、普段は電気を通さないものの、電位差(電圧)をかけることで電子が励起されて自由電子となり、電気を通すようになる点にある。
ドーピング(doping)
半導体の導電性をさらに向上させるため(この段落ではすべてシリコンを例とする)、他の不純物元素を添加することがある。この工程をドーピングと呼ぶ。
添加する元素が3価の元素であれば、ドーピング後はP型半導体となり、5価の元素であればN型半導体となる。ドーピングを行うと内部構造の電子がより移動しやすくなり、半導体の導電性が高まる。
P型半導体とN型半導体を接合するとダイオードを構成できる。ダイオードの最大の特性は、順方向の電圧をかけると電流が流れ(導通し)、逆方向の電圧をかけると流れないという点にある。
トランジスタ
ドーピング濃度の変化を調整し、元のダイオードの中間にもう一層の半導体を挟み込むことで、トランジスタが形成される。NPNトランジスタを例に取ると、これら3つの半導体層はそれぞれエミッタ(emitter)、ベース(base)、コレクタ(collector)と呼ばれる。

主な特性として、ベースとエミッタの間に順方向バイアスをかけたとき、ベースのドーピング濃度が異なるため、電子の移動時に一部がコレクタ(N型半導体)側にも流れ込み、結果としてエミッタとコレクタ間が導通する。
簡単に言えば、ベースとエミッタへの入力電圧(ハイレベルとローレベル)を制御することで、エミッタとコレクタが導通するかどうかを制御でき、スイッチとしての役割を果たす。
スイッチの役割だけでなく、トランジスタは増幅回路としても利用できるが、文字数の都合上ここではスイッチ作用の説明にとどめる。
補足として、回路を理解する際に普段僕たちが言っている電流の向きは、実は実際の電子の移動方向とは逆である。回路内で実際に移動できるのは電子だけだ。なぜこのような表現をするのかといえば、プラスからマイナスへという概念に人々が慣れてしまっているからだろう。
論理ゲート
これでスイッチ構造が手に入ったので、論理ゲートを実装できるようになる。例えば、AND回路を作りたい場合は次のように組むことができる:

AとBの両方に電圧が印加されたときに初めて回路全体が導通し、ANDの論理が成立する。
下の画像は、トランジスタ1個とキーボードのサイズ比較だ:

半導体産業
このトランジスタも十分に小さいとはいえ、億単位でトランジスタを詰め込む現代のCPUにとっては、明らかにこれでも大きすぎる。そのため現代の半導体産業における最大の挑戦は、いかに限られた面積内により多くのトランジスタを詰め込むかという点にある。1970年代のプロセスルールは10μmだったが、今ではすでに5nmに到達しており、面積は1970年代の2000分の1以下になっている。
僕が思うこと
僕個人としては、3Dプリンターのように、半導体の製造プロセスが将来的に一般家庭へ普及することをとても期待している。ナノメートルプロセスである必要はなく、マイクロメートルプロセスやそれ以上でも構わないので、一般の人でも集積回路を自作できるようになればいいと思っている。
Upgraded Homemade Silicon Chips
現状を見る限り、設備さえあれば自作することは決して不可能なわけではないようだ。ただ、動画内の設備を見る限りかなり高価そうであり、一般家庭にはそれを置くスペースもないかもしれない。いつか革新的な技術が登場して、集積回路の作り方が大きく変わる日が来るのだろうか?
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