深層職場力 by Cal Newport

熱意は美化されている。本書の冒頭では、スティーブ・ジョブズのスピーチを引用し、彼が言うことと実際に行うことが異なると直接的に述べている。私は、熱意は他者に求められるものではなく、何かをしている過程で自然に生まれるものであるべきだと思う。私はXXXに対して熱意を持っているが、世界が求めているのはあなたの熱意ではなく、あなたの成果であることが多い。

本書では、かなりのページを使ってストーリーが語られており、後半のストーリーは私は直接飛ばした。

Craftsman mindset v.s Passion mindset

本書では、二つの心態について言及されている。熱意の心態は「世界が私に何を提供してくれるか（what the world can offer you）」を追求するものであり、工匠の心態は「私が世界に何を提供できるか（what you can offer to the world）」を追求するものである。私たちが追求すべきは工匠の心態である。

キャリア資本の蓄積（Career Capital）

キャリアや人生で成功するためには、本書が示すように「So good they can’t ignore you」ということが重要だ。それでは、どうやってこれを達成するのか？答えは「希少で価値のあるスキル（rare and valuable skills）」である。

人それぞれ希少なスキルの定義は異なるが、本書では希少なスキルが通常持つ条件が示されている：

1. 創造性（Creativity）
2. 影響力（Impact）
3. 自主権（Autonomy）

ここで補足したいのは、可能であればあなたのスキルにシナジー効果を持たせることだ。あなたのスキルが多くの分野に応用できると良い。例えば：線形代数、動画編集、プログラミング、音楽、執筆など、これらは高いシナジー効果を持つスキルであり、本書が求める条件にも合致する。

自主権

自主権はキャリア資本を蓄積する要件の一つだが、著者は特に注意すべき二つの自主権の罠について述べている：

1. 経済的に独立できない自主権。たとえ自主権のために好きなことだけをしていても、それが経済的な利益をもたらさない場合、長期間維持することはできない。（First Control Trap）
2. 職業資本を十分に蓄積した後、あなたの上司はできるだけあなたを留めようとし、変化を阻止しようとする（Second Control Trap）

意図的な練習

異数と同様に、この本でも意図的な練習（Deliberate Practice）の重要性が何度も強調されている。これはスキルを習得するための鍵である。本書での意図的な練習の定義は以下の通りである：

Activity designed, by a teacher for the sole purpose of effectively improving specific aspects of an individual’s performance.

大原則は Stretch and Destroy、つまり練習のたびに少しずつ進歩することである。

Deliberate practice is always the opposite of enjoyable

人生の目標を見つける（Finding a mission）

人生の目標を見つけることは、進化し続け変わり続けるものであるが、その前提は十分なキャリア資本、つまりスキルを育てることである。自身の知識を磨き続けることで、自分の方向性を見つけるチャンスが得られる。

まとめ

• 熱意を追求することは過度に美化されており、時には危険でさえある。
• スキルを習得することが鍵であり（多くの人は技術を習得した後に熱意を持つ）、単に熱意があるだけでは他者に注目されることは難しい。
  • キャリア資本を蓄積する場合、その技術は希少で価値のあるものであるべきである。
  • 通常、三つの要件：創造性、影響力、自主権を持っている。
• 工匠の心態（Craftsman mindset）を追求すること：あなたが世界に何をもたらすか。

最後に、追求する熱意が危険であるとはいえ、熱意を渇望（Desire）に変えることができれば、その結果はまったく異なると思う。渇望とは、何かに完全に魅了され、その背後の仕組みに強い興味を持ち、あるいは単に何かを上手に行いたい（運動、楽器、特定の活動など）という気持ちを持つことであり、そのために人生を捧げることができる。3B1BがTed Talkで言っているように、もし魂があれば、あなたは答えを見つけることができる。