日本での長期的な就労に関する懸念

日本のソフトウェアエンジニアにとって、日本の特別な文化、環境、給与は第一選択肢ではありません。日本で働くソフトウェアエンジニアの多くは、単純に日本が好きだからこそ日本で働いているのです。したがって、ここでは給与や日本企業文化については議論せず、日本社会の現状において私が最も懸念していることに焦点を当てます。

経済

1990年はバブル経済が崩壊した年で、日経平均株価は30,000ポイント以上から15,000ポイント（2000年）まで持続的に下降し、ほぼ半分に減少しました。 出典：日経

最近数年で徐々に回復の兆しが見えてきており、1990年の水準に日経指数が戻りつつあります。この点から見ると、日本が現状を維持できるかどうか非常に心配です。さらに、2011年の福島原発事故以降、日本は地域の再建に多くの時間と資金を費やしましたが、福島の製品は一生の汚点となってしまいました。

この2年間、新型コロナウイルスの影響で、本来なら日本経済を活性化できるはずだった東京オリンピックも、重い負担となり、ただ無事に実施されることを願うばかりです。これらの問題は最終的に国民が負担し、働く外国人もその一部です。

年金制度

日本の年金制度は国民年金と厚生年金に分かれており、日本の会社で働くと、給与から厚生年金が天引きされます。厚生年金の金額は給与の区分によって異なります。日本の年金はどの税金よりも高いですが、

現在の日本の人口構成を考えると、今の年金制度を信じるのは難しいと感じます。2020年の統計によると、日本の高齢者人口はすでに**28.7%**に達しており、これは非常に驚くべき数字です。

出典：総務省統計局

年が経つにつれ、日本の人口は徐々に減少し、高齢者の比率は増加していきます。統計によれば、2030年には日本の高齢者人口が総人口の30%を占め、2045年には37%に達する見込みです。当然、人口も緩やかに減少しています。

高齢者人口が増加する中、年金はどうなるのでしょうか？ 現行の年金制度が維持できるかどうかが大きな問題です。もし維持できない場合、労働人口がより多くの年金を支払うか、私たちの世代が退職年齢に達した時に受け取れる年金が減少することになるでしょう。

先進国にとってこれは避けられない道かもしれませんが、日本で働く際にはこの問題を考慮する必要があります。外国人にとっては、一時脱退金制度を利用して年金を確保することができるかもしれませんが、日本に5年以上滞在する人にとっては、考える価値のある問題です。

文化

ガラパゴス化

「ガラパゴス化（加拉巴哥化）」は日本の製品が日本市場のみを考慮し、他国の状況を無視していることを表す際によく使われます。

外部（外国）からの適応性（汎用性）や生存能力（低価格）が高い製品（技術）に直面し、最終的には淘汰される危険に陥る。

ウィキペディア

例えば、非接触ICのアプリケーションであるSUICAは、日本でSonyが開発したFeliCa技術（NFCの一種）を使用していますが、他国ではほとんどがMIFARE（台湾の悠遊卡のようなもの）を使用しています。これは日本の通勤状況に特化して設計されたプロトコルであり、悠遊卡のようにプラットフォームへの出入りに半秒待つ必要があれば、日本ではすでに大混雑が発生しているでしょう。

また、日本独自の放送法やテレビ放送制度もあります。日本でテレビを見るためにはB-CASを使用する必要があります。簡単に言うと、放送局から家庭に送られるテレビ信号は全て暗号化されており、B-CASを使用しなければ復号化できません。私の知る限り、日本はテレビ信号を暗号化する国の中で少数派ですが、テレビを見るのは無料です。法律では家庭にテレビがある場合、料金を支払う必要がありますが、実際には支払わなくても済むことが多いです。

ソフトウェアエンジニアとして、比較的厄介なのはJIS（日本工業規格）の存在です。製品開発においては、各種標準は一般的にISO（国際標準化機構）が多く使用されますが、日本には独自のJIS規格があります。

排外と語学の壁

ここからも、日本が根本的に排外的な特性を持っていることがわかります。労働力不足のために外国人の助けが必要ですが、それが日本の製品が国際化・多様化することを意味するわけではありません。私たちはずっと外国人であり続けるのかもしれません。やはり隔たりを感じるのです。

政治

日本人の政治に対する無関心度は私の想像を超えています。このオリンピックに関しても、外国の同僚を除けば、他の同僚が話し合っているのをほとんど見かけませんでした。

これは非常に深刻な問題だと思います。多くの改革や決定には政党の推進が必要であり、政党がきちんと機能するためには国民の監視が必要です。しかし、日本人は政治にあまり関心がないように感じます。多くの人が「誰がやっても同じ」と考えており、せいぜいTwitterで不満を述べるだけで終わってしまうのです。

結語

ここまで多くの悪い話をしましたが、実際には日本に来ることを阻止するつもりはありません。中にはこの記事の内容が自分とは関係ないと感じる方もいるかもしれませんが、あまり考えすぎる必要はありません。日本に来たばかりの頃の私もそう思っていましたが、時間が経つにつれて年齢が上がると、様々な決定にはより多くの情報が必要だと感じるようになりました。

日本で働くことには多くの利点もあります。ソフトウェアエンジニアとしての私にとって、ここでは電子機器に関するリソースが豊富で、多くの愛好者が自分でキーボードを作成し、便利で使いやすいAmazon（日本版）があり、治安も良好（騒がしい暴走族を除いて）、住環境も高品質です。しかし、次の一歩をどう進めるかも考える必要があるかもしれません。