キーボードについて - ハードウェア編

前言

最近、AmazonのおすすめでNuphy Air60を手に入れ、週末はずっと機械式キーボードについて調べていました。キーボードはどこにでもあるデバイスですが、深く掘り下げてみると、この世界は非常に奥が深いことがわかります。キーボードをコレクションとして楽しむプレイヤーも多く存在しています。

キーボードの動作原理

機械式キーボードは大きく分けていくつかの部分から成り立っています：外装、キーキャップ、スイッチ、PCB、レイアウト。しかし、最も重要な部分はPCBであり、これがキーボード全体が正常に動作し、入力機能を提供できるかどうかを決定します。

キーボードは実際には無数のスイッチで構成されており、キーを押すとマイクロコントローラが現在押されているキーを検知し、対応する信号をコンピュータに送信します。この部分の詳細は、明日のファームウェアの記事で詳しく説明します。

導通方法

先ほど述べたように、キーボードは無数のスイッチで構成されていますが、これは半分正しいです。キーボードは導通方法によって主にいくつかの種類に分けられます：

膜式キーボード

回路基板とキーキャップの間には、3層の膜が挟まれています。中央の層が絶縁層で、上下の層はそれぞれキーボードの位置に対応しています。上層の膜は導電性があり、キーを押すと下層と接触して回路が導通します。一般的に見られる安価なキーボードは膜式キーボードです。

（画像引用元：ウィキペディア）

機械式キーボード

機械式キーボードの導通方法は、主にスイッチの機械構造を介して行われます。各スイッチは独立しており、キーを押すとスイッチ内部の軸が銅板を圧迫し、互いに接触して回路が導通します。設計によって異なる打鍵感を実現できます。

スイッチ

最も一般的なものには、茶軸、赤軸、青軸、黒軸があります。しかし、さらに深く研究すると、スイッチはこれらの4種類以上に分かれることがわかります。そのため、分類は主に線形スイッチと段階スイッチの2大類に分けられます。

外装

外装は主にプラスチックと金属の2種類に分けられます。機能面では大きな違いはありませんが、外装は打鍵感や外観に影響を与えます。

一般的に市販されているキーボードは、主にプラスチック製です。Keychronのようなブランドはアルミ製のキーボードも提供しています。プラスチックキーボードは軽量ですが、仕上がりや触感は金属に比べて劣るため、カスタマイズキーボードを好むプレイヤーは金属外装を選ぶ傾向があります。

キーキャップ

キーキャップは材料、形状、カラーリング方法で区別できます。

材料

一般的なキーキャップの材料にはABSとPBTがあります。

ABSのキーキャップは通常、生産コストが低く、硬度も低いため、使用が長くなると光沢が出ることがあります。PBTは生産コストが少し高く、ABSに比べて脆く、表面が粗いです。

ただし、PBTと表示されているキーキャップでも、100%すべてがPBT製とは限りません。

例えば、ABS素材で有名なGMKのキーキャップはほとんどがABSですが、品質は非常に優れており、キーボード愛好者に人気があります。

カラーリング技術

カラーリング技術は主にレーザー、インク、熱昇華、二色成型に分けられます。それぞれの方法には利点と欠点がありますが、現在の高級キーキャップには通常、熱昇華や二色成型が使用されます。理由は、インクやレーザーでは色あせの問題が生じる可能性があるためです。

熱昇華は、インクを加熱してキーキャップに染色する印刷方法で、インクがキーキャップのプラスチックの隙間に直接浸透します。これにより、文字が摩耗することはほとんどありません。外観上は文字がキーキャップに埋め込まれているように見えます。

熱昇華はインクを加熱する必要があるため、耐熱性のあるPBTキーキャップに使用されることが一般的です。一方、二色成型はABSキーキャップに多く使用されます。

二色成型は、まず樹脂を成形して文字部分を作り、その後別の色で再成形します。文字がキーキャップの一部であるため、色あせることはなく、鮮やかで美しい配色が可能です。各文字ごとに特別に型を作る必要がありますが、大量生産すればコストを抑えることもできます。

形状

キーキャップの形状は、Cherry、MDA、OEM、XDAに大別されます。最も一般的な形状はCherryプロファイルでしょう。

カスタマイズキーボードに触れたことがない人にとって、外観は似たように見えますが、各プロファイルにはそれぞれの特徴があり、各行の高さや形状にも少し違いがあります。

PCB

回路基板の「回路」部分は明日のファームウェアの記事で説明します。しかし、手触りを追求するために、最近ではカスタマイズキーボードのプレイヤーがPCBにもこだわるようになっています。最も一般的なのはPCBの厚さと、スロットの有無です。

PCB上のスロットにはいくつかの目的があります。一般的にはトランスの両側に強電と弱電を分けるためにスロットを作り、短絡を防ぐ役割があります。

キーボードのPCBにスロットを設けるのは、柔軟性としなやかさを増すためです。PCBにスロットを入れることで、手触りが柔らかくなります。

さらに、最近の機械式キーボードのPCBは、ホットスワップの機能を備えていることが多く、スイッチを直接基板にハンダ付けするのではなく、スイッチを挿入できるソケットを事前に基板にハンダ付けしておきます。これにより、他のスイッチに交換したい場合は、ただ抜き取るだけで済みます。

構造

現在一般的なのは船殻構造と最近人気のガスケット構造です。船殻構造は、PCBを外装にネジで固定する一般的な機械式キーボードの構造です。市販されている機械式キーボードはほとんどがこの構造です。

もう一つのガスケット構造は、PCB基板の下にネジが固定されておらず、ポジショニングプレートで外装の上下に挟み込むことで固定されています。ただし、ポジショニングプレートの周囲にはパッドがあり、柔らかく、弾力のある手触りを提供します。

レイアウト

キーの数によって主に30%、40%、60%、65%、70%、80%、100%に分けられ、キー配置によってはANSI、ISO、JISに分類されます。JISは日本のキーボードレイアウトで、台湾のユーザーは主にANSIを使用しているでしょう。

設計によっては、同時にANSIとJISの両方をサポートする柔軟性の高いPCBもあり、ニーズに応じてスペースバーやバックスペースを分割できるものもあります。私もすでにバックスペースを分割して使うことに慣れています。バックスペースはEnterの上に配置しています。

後記

カスタマイズキーボードの世界は非常に奥が深く、多くのプレイヤーが理想のキーボードを求めて探し回っています。キーボードの数は計り知れません。しかし、だからこそ、耐えて待つことで、他の人がほとんど触れたことのない良い中古キーボードを手に入れることができるかもしれません。

カスタマイズキーボード市場は非常に飽和しており、PCBは誰でも作れるため、現在のカスタマイズキーボードはデザインセンス、工芸水準、カラー、多様なオプションのカスタマイズが競われることが多いです。カスタマイズキーボードを研究したことがある人は、中国製のカスタマイズキーボードが非常に多いことに気付くでしょう。

カスタマイズキーボードは「カスタマイズ」の特性があるため、大量生産には入りにくく、通常はグループ購入しないと手に入れることができません。また、工場のスケジュールに合わせるため、待つことが三、四ヶ月になることもよくあります。

しかし、もしキーボードに興味があるなら、自分のニーズに合ったカスタマイズキーボードを探してみてはいかがでしょうか。個人的には、品質と外観は量産キーボードとは比べ物にならないと思います。少なくとも車を買うよりはずっと安いです